1国際会議開催国として日本ブランドを確立

「2030年にはアジアNo.1の国際会議開催国としての不動の地位を築く」。

これは観光立国を目指す日本の具体的目標のひとつだ。

国際会議の開催は、多大な経済波及効果だけではなく、影響力のある学術研究者や企業人の交流によるビジネス機会やイノベーションの創出にもつながる。

2015年の国際会議協会(ICCA)統計によれば、日本は国際会議開催件数でアジア1位、世界7位にランクしている。さらなる上昇を目指し、JNTOは、国際会議をサポートするコンベンションビューロー、PCO(会議専門の運営機関)、業界関係者の横の連携を構築し、海外に日本のブランドを浸透させて認知度を向上させていく。

2投票権者への働きかけ 選考会でのPR

一つの例として、世界神経学会議(WCN 2017)の日本招致を取りあげよう。

日本神経学会の国際化の一環として、2017年にWCNを京都に招致する方針が決定したのは2011年のこと。競合都市はソウル・香港であった。

2012年11月に国際本部の候補地視察があり、支援要請がJNTOへ寄せられた。日本神経学会の国際対応委員会を中心に、JNTO、候補地の京都をはじめとする関係者が受け入れ対策チームを作り、国際本部のキーパーソン3名の視察準備を行った。

続いて、国際本部に提出する提案書作成時には、JNTOは観光庁の協力を得て、長官・厚生労働省・総理大臣からの支援レターを発出した。ウィーンでのWCN2017選考会前日には、最後の一押しのために、現地で各国の代議員の方々を集めたJapan Nightを催した。

在ウィーン日本大使館の協力を得て、特命全権大使にもご挨拶をいただき、また、日本から参加された学会関係者の方々とともに、JNTO職員も着物を着用して日本らしさを味わっていただくことに努めた。そして、投票日。参加者総出でのPRと日本神経学会代表理事の熱意あるプレゼンにより、代議員の票を集めることに成功。競合都市を打ち破り京都での開催が決定した。

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3マイナス要因を越える
冷静な戦略と地道な努力

実はWCN 2017招致は日本にとって不利な条件が多いと考えられていた。

まず、日本はアジアの中で唯一、2回目の開催になること。また、アクセスや宿泊などロジスティックな条件において、候補国の中で一番厳しい状況にあったこと。

このような背景でも日本への招致が成功したのは、国際対応委員会を中心に、日本神経学会が一つになって作りあげた戦略があればこそ。メンバーの先生方は何度も会合を持って物理的な劣勢を越える力強い体制準備とメッセージを練り、世界神経学会(WCN)本部の不安を取り除いた。また、各国の幹部に人脈のある国内関係者が協力して日本への支援を呼びかけた。

冷静な自己分析に基づく地道なコミュニケーションが成果につながったのだ。

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4日本のブランディング
関係者で意識を共有して

WCN2017は、いよいよ本年7月に京都で開催される。当時の日本神経学会代表理事であった水澤英洋氏には、その後も国際会議開催国としての日本を国内外でPRするアンバサダーとして活躍してもらっている。

また、2020年には東京でオリンピックの開催も決定しており、日本の注目度は一層高まると予測される。

2014年度には観光庁主導で国際会議開催地としての日本ブランドを構築。JNTOが中心となって、日本ブランドを浸透させていく一方で、国際会議開催への関心が高まる地方都市においては、地域の特性や強みを生かした誘致活動を行っていく。

国内の主催者へのサポート強化に向けて、JNTOの果たすべき役割は大きい。

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PROFILE

コンベンション誘致部 誘致推進グループ

コンベンション誘致部 誘致推進グループ

国際会議誘致活動には、主催者を核に各都市、PCOなど多くの人が関与します。

関係者全てが、それぞれの立場で同じ目標に向かって力を発揮し、競合相手の動きや特徴を分析して戦略を立てなければなりません。

誘致推進グループでは、各職員がコミュニケーション能力を磨き、情報量を増やし、発想のもととなる引き出しを豊富にしながら業務に取り組んでいます。

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