日本の魅力を、日本のチカラに。JNTO 日本政府観光局

Senior Information先輩情報

国内勤務青島 美奈子

地域連携部 会員サービスグループ
2005年度入構(キャリア採用)

観光業界にさらなる好循環をもたらし
次世代を担う子どもたちへ魅力的な日本を届けたい

担当業務

  • JNTOを支援してくださる団体・企業(賛助団体)や会員サービスに加盟する企業(会員)のみなさま向けの制度運用
  • 賛助団体への寄附依頼、会員への会費請求手続き
  • 賛助団体・会員向けイベント等の企画・運営・実施
  • 賛助団体・会員向け事業の運用における社内調整

入社動機

JNTOに入構する前は、アメリカの独立系映画会社の資金調達をする仕事をしていました。物心ついたときから、演劇やクラシックバレエに慣れ親しんでいた私は、エンターテインメントの本場であるアメリカに憧れを抱いており、日本の高校を卒業後、アメリカの大学に進学したのです。そのまま現地で就職し2年ほど働いていたのですが、海外で過ごすうちに、次第に日本への興味が高まっていたのでした。アメリカで過ごしていると、いろいろな人が私に「日本について」質問してきます。生まれてから一度も意識したことのなかった自分の「日本人」というアイデンティティーに気付かされるとともに、日本を題材とした映画の間違った描写について議論したくてもその理由を正しく説明できない自分や、また「今度日本に行くのだけれど、どこに行けばいい?」と問われてもパッと提案できない自分を次第に恥ずかしく感じるようになりました。そして、いつしか海外の人たちに「日本を正しく伝えたい」と思うようになり、就職活動をする中でJNTOの求人募集を見つけ、採用試験を受けることにしたのです。

現在の仕事内容

現在は主に、JNTOの賛助団体や会員企業の皆様に対して、JNTOが提供するインバウンドマーケティングの支援やサービスについてご案内やご提供を行っています。私が入構したのが2005年のこと。これまでに、MICEやアメリカ駐在、海外プロモーションや管理部門など、結婚・出産を経てさまざまな部署を経験してきました。実は入構して初めて配属になったのは会員サービス部門だったのです。当時は日本を訪れる外国人の数は年間670万人ほど。訪日外客数1,000万人達成(年間)を目指して取り組んでいたその頃と比べると、今は会員様の数も圧倒的に増加しており、私たちが提供できるサービスも多岐にわたっています。当時は旅行業界においてさえ訪日インバウンドへの注目度合いもJNTOの認知度もそれほど高くなく、各所にご支援やご入会をお願いすることに苦戦していました。それが今ではありがたいことに、多くのお問合せをいただけており、それと比例するようにJNTOが果たすべき役割や責任感も一層大きくなっていると感じています。

仕事の面白さと難しさ

多くの職種を経験してきたからこそ感じることですが、多くの地域で、さまざまな角度からインバウンドに取り組む多様な方と出会えることはこの仕事の面白さといえます。ここにもあそこにも、こんなに頑張っている方がいるんだ!こんなアプローチがあったんだ!と日本中の取り組みにいつも驚かされ、新たな発見をさせてもらっています。一方で、私たちの目標は旅行者数や宿泊者数といった数値で見える部分も多いですが、旅行客を受け入れる地域や施設の皆様が喜びを感じてくださっているかを図る指標がないことに難しさを感じます。長年勤めていると業界の移り変わりや動向がよくわかるようになる中で、近年はコロナ禍もあり、観光業界の人材流出も浮き彫りになってきています。「観光」が元気になることは、そこに従事する人や地域文化などを守ることにも繋がっていくとあらためて強く感じています。その上で、私たちができることを一つひとつきちんとご提供していくことと思っています。

特に印象に残っていることや思い出深い仕事

アメリカ駐在の頃の話です。世界的に有名な観光旅行雑誌の編集者が、四国を取材したいと事務所にコンタクトくださったことがありました。当時は欧米からのインバウンドの受け入れ先としてあまり知られていなかったエリアだったことから、編集者の要望を伺いながら何週間もかけて準備し、JNTOだけでなく、受入地域の運輸局や自治体、企業の皆様のご協力も得て、ようやく取材の実施に至った時には本当に胸をなでおろす思いでした。記事掲載の連絡を待っていると、記事の出来がとてもよいので記事に合わせて改めて差し込み用の写真を撮影することとなったと専属のカメラマンが来日。同じ行程を取材されました。翌年になって掲載の連絡を受けた際、特集された地域は徳島県にある「祖谷」。送られてきた掲載誌の表紙にはなんと奥祖谷二重かずら橋を渡る旅行者の写真が大々的に使われていました。その写真と記事には予想を超える大きな反響があり、記事で紹介された祖谷をメインにカメラマンと共に京都・高野山・祖谷・直島・広島を訪れる富裕層向けの旅行商品がその旅行雑誌のブランド下で販売されるまでになりました。記事の露出は2012年ですが、ツアーは定番商品として今でも販売・催行されています。また、地域の皆様の継続したお取り組みにより、祖谷地域自体も日本のインバウンドにおける先進事例・成功事例として注目されております。こんな私でも地域のインバウンド促進に少しは貢献できたのかと、喜びを感じられる思い出深いプロジェクトです。

これからの目標

人口減少が著しい日本において、多くの地域が継続・存続していくために訪日インバウンドも有用な取り組みになり得ると感じています。例えば、内需の減退により地域に根付く文化・技術が失われそうだといった話をよく聞きますが、体験型商品の造成・販売により担い手を活かすことができた事例や、家具等の形で商品化して海外での露出を拡大した結果、観光ニーズが生まれたというケースもあります。つまり、私たちが日本の魅力を世界中に発信し訪日インバウンド旅行者の誘客を行うことと、訪日インバウンド旅行者が地域を訪れることによりその地域で暮らし働く人々が文化的・経済的にもハッピーな状態でいられることとを、一つのサイクルと考え地域と共に活動することで、その先において、インバウンドサービスの多様化や向上による旅行者の満足度上昇、旅行商品の高価格化、地域の所得の向上、地域の定住率の改善、、、と好循環が生まれていくのではないでしょうか。
もちろん言うほど簡単なことではありませんが、自分の日々の業務の延長線上に地域を助ける力があると信じて真摯に取り組み、究極的には訪日インバウンドを通じて元気になった明るい日本を、次世代の子どもたちへ繋げていきたいです。

1日の流れ

  • 07:45

    娘を保育園に送り届ける。

  • 08:30

    出社。TO DOのチェック。グループメンバーからの依頼確認・申請承認。

  • 09:00

    グループメンバーへの作業指示。

  • 12:00

    ランチ。コンビニや近場で済ませる。

  • 13:00

    共有事項、報告事項確認。

  • 15:00

    グループの業務の進捗状況確認、作業指示。

  • 17:00

    翌日に向けたTO DOの整理。グループメンバーからの申請承認。

  • 18:15

    退社。

  • 19:00

    娘を保育園に迎えに行く。

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